or WASTE

EUROPE

[Malmö] 食糧廃棄物削減を目指すレストラン

840_sweden_2018text by Sakiko Jin
(『料理通信』2018年10月号/「ワールドトピックス」より)

スウェーデンの南部、マルメ市に2018年5月にオープンした「スピル」は、エリック・アンデルソンとエリノア・リンドブロムのカップルが食糧廃棄物削減を目指し、人々に関心を持ってもらおうと開いたレストラン。規格外や消費期限が近くなったもの、過剰供給によって捨てざるを得ない食材を、ランチの一品に活用し、無駄(スピル)を減らそうというものだ。

「廃棄されるもののほとんどが野菜かと思いきや、魚をはじめ、特に大量の肉が廃棄処分されていることに驚く。毎回異なる食材が届くので、何を作るか予定を立てられないのが日々の挑戦」とエリックは語る。

開店当初は、多くの客が傷んだ食材を使った料理と思い込み、なかなか軌道に乗らなかったが、長年星付きレストランで経験を積んだエリックが丁寧に作る料理が評判を呼び、またコンセプトに賛同する人も増え、最近は売り切れることもしばしば。

食糧廃棄物を削減するシステムが国全体で確立されれば、という二人の最終目的も、遠い夢ではなさそうだ。


◎Restaurang Spill
Isbergsgata 10A 21119 Malmö

☎なし
11:15~14:30
土曜、日曜休
ランチ 90スウェーデン・クローナ
www.restaurangspill.se

 

GET INSPIRED

Sweden[Stockholm] 材料を育てて作るサステナブルなストリートフード
サステナブルな料理人として有名なポール・スヴェンソン。ストックホルムガス社と提携してプロジェクトが注目。100%バイオガスを使ったフードトラックで、料理の注文を取り限定300個の注文数を元に材料となる野菜を育て始め、料理を渡すのは9月という...
Belgium[Bruxelles] 健康とより良い世界のための“グリーンガイド”
一ツ星シェフのフランク・フォル氏が、30年前ベルギーで初めて野菜だけのコースを発表した。以来、野菜や果物にフォーカスすることに専念。『ゴ・エ・ミヨ・グリーンガイド』ベネルクス版を編纂し、テレビで野菜料理を紹介するなど、一般人の啓蒙に努めた。...
Norway [Oslo] 社会復帰をサポートするカフェ
「エーリック・カッフェ」は薬物中毒者や路上生活者が店員を務めるカフェ。設立者はストリートマガジン『=Oslo』の発起人で、雑誌販売などを通して彼らが社会復帰するための支援活動をしている。
England [London] 東ロンドンの“世界で最もエシカルなパブ”とは?
東ロンドンに“世界で最もエシカルなパブ”と銘打った「グリーン・ヴィック」がオープンし話題。小麦の茎を使ったストローや廃棄されたパンを原材料に使ったクラフトビールの他、フェアトレード製品のジンやウォッカなど社会的支援につながるものが並ぶ。
Peru [Lima] ゴミのない世界へ動き始めたリマのシェフたち
廃棄食糧の再資源化を専門とする「シンバ」。契約レストランから食品残渣を回収し、オーガニックとそれ以外に分別。前者は自社工場で家畜飼料に加工し提携の養豚場に提供、後者は正規の食品リサイクル業者に処理を依頼。