or WASTE

JAPAN

アイデアソン開催!食とアウトドアスポーツが導く持続可能な未来

IMG_2351text by Kyoko Kita

食とアウトドアスポーツ。

一見、関連がなさそうですが、どちらも豊かな自然があってのもの、という意味で共通しています。
こんなちょっと新しい視点から環境問題について考えるイベントを、3月24日、湘南T-SITEで開催しました。
ゲストスピーカーに迎えたのは、アウトドアウェアブランド「パタゴニア」が新たに立ち上げた食品部門「パタゴニア プロビジョンズ」を担当する近藤勝宏さんと、T-SITE内にあるレストラン「ターブル・オギノ」の荻野伸也シェフ。
IMG-89200324_2-036「パタゴニア」は、ビジネスを通じた環境保護活動においてはパイオニア的存在。昨秋から販売が始まった「プロビジョンズ」も、アウトドアシーンに適した携帯食で、環境再生型の農業や漁業で得られた原材料で作られています。 
(食を通じて、世界を理解する。 パタゴニアが食ブランド「パタゴニア プロビジョンズ」を通じて社会に問うこととは?
http://or-waste.com/?p=1624

「パタゴニアのミッションは、“最高の製品を作り、環境に与える不必要な悪影響を最小限に抑える。そして、ビジネスを手段として環境危機に警鐘を鳴らし、解決に向けて実行する”ことです。

食事は毎日3食必ずとるものですから、長期的に見れば、服以上に、どんなものを選ぶかが環境に与える影響は大きいと思います。結果はすぐには出ませんが、自分自身の体にも返ってきますよね」。
0324_2-017一方の荻野シェフは、規格外野菜や害獣として処理されている鹿肉の活用に積極的に取り組んでいます。
「今、お店では有機栽培の野菜を一部使っていますが、実は有機農家は全体の1%に満たない存在です。規格外の野菜は流通にのらないので、自ら販売先を確保しなければならず苦労されています。だからこそ買い支えたい。そして買い続けられるように、もっと多くの人に選択肢の一つとして考えてもらえるよう提案していきたいんです」。

また、サーフォンや登山、トライアスロンなど、アウトドアスポーツにも熱心で、3月には『アスリートシェフの美筋レシピ』(柴田書店)を刊行しました。
「僕は自然の中で自分の体だけで思い切り遊ぶことが大好きなんです。するとお腹がすくし、もっと体を鍛えたくなる。自分が普段の食事で心掛けていることを通じで、何かできないかとずっと考えていました。今回の本は一般の方に、たくさん家で料理をしてほしくて作りました。家庭で料理をするというのは、一番リーズナブルで、より良い食材を選択する上で続けやすいスタイルだと思います」。

トークセッションの後は、「パタゴニア プロビジョンズ」の発表に合わせてパタゴニアが制作した短編映画を上映しました。
長期間、不耕起で栽培できる新種の麦「カーンザ」の開発者や、肉牛の工業的な飼育法に疑問を抱き、代わりに牧草地を育むバッファローを放牧する夫婦、伝統的な漁法に立ち返ることで乱獲を防ごうとするサーモン漁のグループ等、「プロビジョンズ」に関わる生産者たちの生き様が描かれています。
食を取り巻く環境問題について考えるきっかけとして、ぜひ多くの方に観ていただきたい内容です。
(『UNBROKEN GROUND』
https://www.youtube.com/watch?v=9aMNmRSP8DY&feature=youtu.be
IMG-8923カーンザを使ったビール「ロングルートエール」を飲みつつ上映会の後は、お待ちかねのランチタイム。「僕も山に登る時に持っていきます」という荻野シェフが、プロビジョンズを使って3品のメニューを作ってくださいました。
アウトドアではお湯を注いで10分程待つだけでおいしく食べられますが(サーモンはそのままでもOK)、一工夫加えることで活用の幅がぐっと広がります。
0324_2-064MENU
●ワイルドピンクサーモンとキノコ、菜花のキッシュ
作り方
1バターとオリーブ油を引いたフライパンで、ニンニクと共に菜の花、マッシュルーム、シメジ、エノキを炒める。
2 パイ生地に1と、ざっくりほぐしたサーモンをのせ、卵と生クリームを合わせた生地を流してオーブンで焼く。

有機レッドビーンズチリのミートソースペンネ
作り方
1 表示通りお湯で戻したレッドビーンズチリにトマトと赤ワインを加えて煮る。
2 茹でたペンネと合わせる。

有機セイバリーグレインズのコロッケ カレー風味
作り方
1 ジャガイモを茹でて皮を剥きつぶす。
2 表示通りお湯で戻したセイバリーグレインズと合わせ、カレー粉、塩、コショウで味を調える。
3 成形し、衣をつけて揚げる。

プロビジョンズはいずれも、スパイスが効いていたり、しっかりと味がついているため、アレンジも簡単。アウトドアのみならず、日常使いのためにストックしておくのもよさそうです。

お腹も一杯になったところで、参加者によるグループワークを行いました。
話し合いのテーマは3ステップ。
1 アウトドアシーンに身を置き、心地よく感じた体験を教えてください。
2 食に関わることで、問題に思っていること、疑問に感じていることを教えてください。
3 2で挙がった問題や疑問を共有でき、1のような体験ができるイベントを考えてください。
0326-1500326-1785~6人のグループに分かれ、話し合いを進めると、実に様々な体験、疑問、問題意識が出てくる、出てくる。近藤さんや荻野シェフも加わり、大いに盛り上がります。
3のイベントはグループで1案練り上げ、最後に発表していただきました。

Aグループ『農村ジャック in 房総』
IMG_2367野菜、魚、保存食など担当に分かれて生産者に会いに行き、そこで得た知識と共に食材を持ち帰る。調理担当が料理に仕上げ、みんなで食べつつ、持ち寄った情報を共有する。
農家や漁師、保存食作りの知恵に、フードロスなどの問題を解決するヒントがあるのでは!?

Bグループ『1泊2日 山から海へ』IMG_2366海洋資源の問題は山の環境から。そんなことを考えさせるイベント。
山では山菜を摘み、農家で収穫体験、星空を眺めながらビールと料理を食べて屋外泊。翌日、山を下り、ゴールは漁港で釣りをして魚料理に舌鼓。学びつつ、感じつつ、おいしいものを味わえる。山を登るのは大変だけど、下りなら楽ちんでしょ!

Cグループ『農FIT!!』(メンバーの一人がリンゴ農家)
IMG_2360農作業はフィットネス。ジムの限られた空間ではなく、青空を望めるアウトドアの畑に身を置いて体を動かしつつ、リンゴ栽培について知ってもらうイベント。骨が折れる農作業をサポートしてもらえることで高齢の生産者も助かる。
摘果したリンゴはジャムやジュースに、花はお茶に加工する。また間引きした野菜で料理を作るなど、これまで廃棄されてきた食材の活用法を考え、実際にみんなで作って楽しむ。農FITウェアは、ぜひパタゴニアさんの提供で!

Dグループ『三浦の風にのろう』 
IMG_2359
ウインドサーフィンを楽しんだ後、地元の魚や野菜を収穫したものを、シェフにおいしく料理してもらう。
生産者との交流を通じて、地元の人たちにも地域の魅力に気づいてもらい、観光客を呼ぶためのノウハウを獲得してもらえるのでは。
三浦なら近いし、予算も低く抑えられて、実現性が高いはず!

いずれもユニークで参加したいと思うものばかり。楽しい、おいしい、気持ちいい。最高ですよね。バックグラウンドの違う人たちが集まるからこそ生まれるエネルギーも感じました。
こういったイベントを通じて、食べるという行為が自然環境に繋がっていることを意識する人が増えるよう願わずにいられません。そうすれば、社会はもっと豊かになるはずですから。

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