スウェーデン北部ラップランド出身のニキ・シュールンド氏は、長年星付きレストランで働いた経験を持つ料理人だ。
スウェーデンの南部、マルメ市に2018年5月にオープンした「スピル」は、エリック・アンデルソンとエリノア・リンドブロムのカップルが食糧廃棄物削減を目指し、人々に関心を持ってもらおうと開いたレストラン。
洪水や干ばつによる、水不足や農業生産の減少が危惧される中、世界中で関心が高まる「アクアポニックス」を導入した農園が、2018年2月、ブリュッセルに誕生した。
世界中に広まる、ゼロ・ウェイスト運動。人気のカフェ「イスラ・コーヒー・ベルリン」では、食材作りから仕入れ、調理までを見直してゴミを減らす、サステイナブルな循環型の経済システムを目指し、今年度のドイツ飲食店創立者賞5部門を総なめにした。
高校から大学まで一緒に過ごした、97年生まれの4人が運営するアクアポニックス農場「ザ・サークル」がローマ郊外に完成した。アクアポニックス農場とは、土づくり、水やりが不要で、魚の養殖用水を畑に循環させて植物を栽培する新型農業のことで、イタリアでは初。
ノルウェー各地の音楽祭の“グリーン化”が止まらない。首都で開催される「オイヤ」はその代表格。フードの90%以上がオーガニック食材で、肉は少なめ。皿、ナイフなどには廃棄予定だった小麦ぬかが使用され、食べることも可能。生ゴミとして廃棄し、バイオ燃料に活用する。
農薬、プラスチック、合成洗剤などに含まれる有害物質の排出により、環境汚染が問題化されて久しい。2017年のダボス会議では、海には年間800万トンのプラスチックが漂い、このまま行けば2050年には魚の数よりプラスチックごみの量が上回るとの報告もある。
「羊農家として30年間働いてきたが、倉庫いっぱいに残った羊肉を見て、なんとかできないかと考えていた」と語るのは、ノルウェー産羊肉のスナック「チープス」を開発したヴィーキンスタ氏。
環境を意識した食への関心が高まる昨今。農業生物多様性の研究に取り組むコペンハーゲン大学のスヴェン・エリック・ヤコブセン氏は、「肉消費を削減しつつ代替えできる何かを、植物界から見つけ出す必要がある」
国連食糧農業機関 (FAO)によると、世界中の食料品生産業界が排出する「無駄」「損失」は1年間に30%もある*。そのうちの54%は食品生産過程にあり、食品になる以前の段階、つまり農産物の収穫過程や保管方法に問題があるという。